都会で生きる大人の女性の孤独や揺れ動く恋情を歌い続けてきた古内東子が、私生活で大きな転換点を迎えたのは2012年10月のことでした。当時39歳だった彼女は、自身の公式ブログで一般男性との入籍を電撃発表。長年「失恋ソングの女王」として多くのリスナーの涙に寄り添ってきた彼女の慶事に、音楽界や同世代の女性ファンから祝福の声が殺到しました。
結婚相手となった夫については一般人ということもあり、詳細な職業や氏名は公表されていません。しかし、彼女を公私にわたって精神的に深く支えるパートナーであり、落ち着いた大人の信頼関係を築いていることが折々のインタビューや手記からもうかがえます。そして2014年9月、41歳という年齢で第一子となる男児を出産しました。
結婚と出産は、彼女の代名詞であった歌詞世界にも自然な深みをもたらしました。かつての「すれ違いの痛み」や「報われない切なさ」に満ちていた眼差しに、他者を無条件で慈しむ温もりや日常のささやかな幸せへの感謝が加わり、楽曲のグラデーションが一層豊かになったと音楽関係者の間でも高く評価されています。