大手映画批評サイト「Rotten Tomatoes」において批評家支持率92%という驚異的な高評価を維持し続けている本作。公開当時、約610万ドル(約9億円)という低予算で制作されながら、世界興行収入は3,000万ドル以上を記録し、カルト的な熱狂から世界的な大ヒットへと駆け上がりました。
多くの映画ファンが本作を絶賛する最大の理由は、「ゾンビ映画への深いリスペクト」と「日常の停滞を描く鋭いドラマ性」の融合にあります。エドガー・ライト監督と主演・共同脚本を務めたサイモン・ペッグは、単にゾンビをギャグの道具として消費するのではなく、ホラーの緊迫感やゴア描写を極めて本格的に作り込みました。恐怖演出の手を一切抜かないからこそ、突如として放り込まれるオフビートな英国的ユーモアが強烈なスパークを生み出します。
さらに、映画評論家の間でも高く評価されているのが、ゾンビパンデミック発生前後の「日常の無感覚さ」の描写です。主人公ショーンが暮らすロンドンの街路では、通勤する会社員やバスを待つ人々がスマートフォンもなかった時代からすでに生気のない顔で歩いており、「生きている人間もすでにゾンビと同じではないか」という痛烈な社会批評が根底に流れています。