郊外の道路や幹線道路を歩く際、多くの人が一度は遭遇するのが「待てど暮らせど歩行者信号が青にならない」という現象です。この原因の多くは、交差点の制御システムにあります。
まず、押しボタン式信号機の仕組みは、通常時は幹線道路側の車両の流れを優先させ、歩行者がボタンを押した信号要求(デマンド)が制御機に送られて初めて、タイマーサイクル内に歩行者用青信号が組み込まれる構造です。最近では衛生面に配慮した非接触赤外線センサー型や、スマートフォンのBluetoothと連動して触れずに青を要求できる高度化PICS(歩行者等支援情報通信システム)の配備も進んでいます。
一方、見落としがちなのが感応式信号機における歩行者の渡り方です。車両感応式信号機は、上空の超音波センサーや光電センサーで車を感知して動作します。従道路側に車が停まっていない場合、歩行者が立っているだけではセンサーが感知せず、信号サイクルが切り替わりません。
こうした交差点には必ず「歩行者専用の押しボタン」が併設されていますが、車用の感応案内板しか目に入らず、ボタンを押さずに数分間立ち往生してしまう歩行者の姿が散見されます。「感応式交差点を歩いて渡る際は、必ず柱に押しボタンがないか確認する」ことが鉄則です。
なお、警察庁の歩行者用信号機設置基準では、「ピーク時の横断歩行者数が1時間あたり100人以上」または「通学路に指定されており児童の安全確保が強く求められる場所」など、明確な数値要件が定められています。むやみに信号機を新設するとかえって車両の無理な急停止を招き、追突事故を誘発するリスクがあるため、交通総量と歩行者密度の綿密な調査を経て設置の可否が下されています。