多くの利用者が最も懸念しながらも、予約時に見落としがちなのが「防音性」と「換気性能」の実情です。ネット予約サイト上でひとくちに「個室」と記載されていても、建築構造上はまったく異なる2つの形態が存在します。
消防法および建築基準法上の排煙・スプリンクラー設置規定をクリアするため、多くの居酒屋や一般焼肉店では天井部分に30〜50cmの隙間を開けた「上部開放型(欄間タイプ)」を採用しています。この場合、隣室の会話音は天井で反射して筒抜けになり、防音性能は通常のテーブル席と大差ありません。極秘の商談や契約締結を伴う接待、あるいは周囲を気にせず会話を楽しみたい重要なデートでは、壁面が天井スラブまで完全に密閉され、遮音ドア(遮音等級T-2〜T-3相当)を備えた完全個室焼肉であるかを事前に店舗へ確認することが必須条件となります。
一方、煙と臭いに関する技術革新は劇的な進化を遂げました。現在のハイエンド店舗に導入されている無煙ロースター完備の空間では、網の縁から強制的に下方向へ煙を吸引する「下引き排気システム」に加え、オゾン脱臭およびプラズマ集塵装置がダクト内部に標準装備されています。これにより、室内の空気はおよそ2分〜3分に1回のペースで完全に外気と入れ替わり、衣服や髪への油煙吸着は劇的に低減されました。また、愛煙家との会食においてニーズが根強い喫煙可能な個室焼肉においても、法律で定められた技術的基準(室外への風速0.2m/s以上の気流確保)をクリアした専用個室を完備する店舗がビジネス街を中心に再評価されています。