2023年に発表された星組から専科への異動は、宝塚ファンに大きな衝撃を与えました。生粋の星組育ちとしてトップスター・礼真琴を支える2番手格として活躍していただけに、「なぜこのタイミングで?」という疑問の声が上がったのも無理はありません。
この異動の最大の理由は、「瀬央ゆりあという規格外のスター性を、一組の枠に閉じ込めず全組で有効活用するため」という劇団の戦略的判断にあります。宝塚歌劇団では、実力と人気が円熟期に達した男役を専科に配置し、各組の若手育成や公演クオリティの底上げを担わせる伝統があります。コメディから重厚な悲劇、切れ味鋭い悪役まで自在に演じ分けられる瀬央のユーティリティ性は、現在の宝塚にとって欠かせない武器となっているのです。