次から次へと画面をスワイプし続ける行為は、脳に短い間隔で快楽物質(ドパミン)を放出し続ける。だが、この「脳のファストフード」とでも呼ぶべき体験に、一部の視聴者が強烈な疲労感や集中力の低下を訴え始めているのも事実だ。「気づけば2時間も無心でスワイプしていた」「長編の映画や本に集中できなくなった」という焦燥感である。
この反動として、一部のZ世代や感度の高いクリエイターの間では、あえて長い尺の音声コンテンツ(ポッドキャスト)や、じっくり読ませる長文レター、あるいはデジタルデトックスへと向かう「静かな回帰」の動きも見られる。数秒の刺激に頼る情報摂取への反発が、小さくも確実な波として広がりつつあるのだ。