実写ドラマ『湘南純愛組!』の成否を分けた最大の要因は、鬼塚英吉と弾間龍二という漫画史に残るアイコニックなキャラクターのキャスティングにありました。金髪リーゼントの鬼塚役を射止めたのは、俳優としてのキャリアを着実に積み重ねていた寛一郎。一方、リーゼントに剃り込みの弾間役には、繊細さと野性を併せ持つ演技派の金子大地が抜擢されました。
当時の制作発表記者会見や現場インタビュー取材において、寛一郎は「鬼塚という世代を超えて愛される男を演じる重圧は計り知れなかったが、当時の若者が抱いていた理屈抜きのエネルギーをそのままぶつけた」と述懐しています。実際、劇中で見せた狂気とコミカルさの共存、そして仲間を思う真っ直ぐな眼差しは、単なるビジュアルの模倣にとどまらない魂の宿った演技として視聴者を唸らせました。金子大地演じる弾間龍二も、硬派で不器用ながら情に厚いキャラクターを鋭い眼光とアクションで体現し、二人が並び立った際の絵面はまさに原作から飛び出してきたかのような説得力を放っています。
脇を固めるキャスト陣も極めて贅沢な布陣です。物語の鍵を握るヒロイン・長瀬渚役の柳ゆり菜や、出雲真樹役の吉田志織、伊藤唯役の山谷花純をはじめ、森田望智、奥野瑛太、伊島空、前原滉といった実力派バイプレイヤーが集結。さらに、六平直政や南野陽子といったベテラン勢が随所にスパイスを加え、単なる若手ヤンキードラマの枠に収まらない重厚なアンサンブル劇へと昇華させています。