3階建ての高さは何Mが限界?10M規制の落とし穴と後悔防ぐ設計術

3階建ての高さは何Mが限界?10M規制の落とし穴と後悔防ぐ設計術

3階建ての高さは何Mが限界?10M規制の落とし穴と後悔防ぐ設計術についての真相をご紹介します。

敷地に3階建てが建つかどうかは、単に建蔽率や容積率の数字だけでは決まりません。設計現場で最も多くの間取りプランを頓挫させる元凶が、建築基準法高さ制限の複合的な適用です。

都市部の第一種中高層住居専用地域や第二種住居地域などの多くでは、地方自治体の都市計画によって10メートル高度地区制限が指定されています。この地域では、建物の最高高さがいかなる理由があっても10mを超えてはならないという絶対的なキャップが課されます。全高が9.5m前後になる3階建てにとって、残された許容マージンはわずか数十センチメートルしかありません。

さらに設計者を悩ませるのが、北側隣地の採光や通風を保護するための斜線規制です。特に厳しい敷地条件として知られるのが、第一種低層住居専用地域3階建ての建築です。この地域では建物の絶対高さ制限(10mまたは12m)に加え、北側隣地境界線から真北方向へ引かれる勾配制限が極めて鋭角に設定されています。北側隣地境界線において高さ5m(または10m)を起点とし、水平距離1に対して高さ1.25の割合で切り上がる斜線の中に建物を収めなければなりません。

この厳しい制限をクリアするために、建物を南側へ後退させたり、北側隣地が道路や水面である場合の北側斜線制限緩和(道路の反対側境界線を起点とみなす措置)を適用したりする計算が行われます。しかし、間口の狭い都市部の敷地では、敷地後退にも限界があります。結果として、3階部分の北側外壁を境界線から大きくセットバックさせるか、屋根を斜めに切り落とす「母屋下げ(もやさげ)」を余儀なくされます。

また、前面道路の幅員に応じて建物の前面高さを制限する道路斜線制限計算も、狭小地では容赦なく牙を剥きます。道路幅員が4m(いわゆる2項道路)の場合、道路の反対側境界線から1:1.25(住居系地域)の勾配で斜線が立ち上がるため、道路に面した3階部分の外壁が斜線制限に抵触し、バルコニーや居室の面積を削り落とされる事例が頻発しています。

吉田 誠
著者

吉田 誠

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。