まず基本情報から確認する。舟津彰(ふなつ・あきら)は、複数の投資事業組合やコンサルティング会社の代表を歴任してきた実業家である。公開されている登記簿情報や過去のプレスリリースを突き合わせると、少なくとも2015年から2026年にかけて、都内を中心に不動産仲介・M&Aアドバイザリー・海外送金代行などを手掛ける複数法人の役員を兼任していたことが確認できる。
ここで重要なのは、舟津彰という人物が単独で何かを成し遂げた「カリスマ経営者」ではなく、複数の法人格を使い分ける「スキーム構築型」のプレイヤーだった点だ。取材に応じた元関係者によると、資金決済の仕組みや節税スキームに精通し、複数の企業グループの「裏方の設計者」として動いていたという。
では、「馬」はどこから来たのか。結論から言えば、これは競馬の予想屋でもなければ、馬主資格でもない。捜査関係者への取材で浮かび上がったのは、特定の組織内で舟津彰が「馬(ウマ)」と呼ばれていたという証言だ。ここで言う「馬」とは、賭け事の「当たり馬券」ではなく、運び屋や使者、あるいは「金を運ぶ者」を指す隠語としての用法である。