気根とは比較にならないほど深刻なのが、土壌伝染性細菌によって引き起こされる「青枯病(あおがれびょう)」だ。緑の葉を保ったまま一晩で急速に萎れて枯れていく様子から、農家の間では古くから恐れられてきた。
近代細菌学の祖であるルイ・パストゥールが微生物による病原性を解明して以来、農学界は病原菌との長い闘いを続けてきた。現代の農業研究を牽引する農研機構などの最新発表によれば、青枯病菌(Ralstonia solanacearum)は地温が28度を超えると爆発的に増殖し、導管に入り込んで水分の吸い上げを遮断する。その際、茎の表面に不規則なコブやぶつぶつを形成することが多い。
農林水産省の病害虫防除指針でも、一度感染した圃場での完全除菌は極めて困難とされている。茎を切断して透明な容器の水に浸した際、切り口から白い煙のような細菌液が糸を引いて流出(導管検査)すれば、青枯病確定の動かぬ証拠だ。