数字だけを見れば公設秘書の待遇は魅力的に映りますが、実際の労働環境は一般的なサラリーマンとは大きくかけ離れています。
国家公務員特別職である公設秘書には、労働基準法の労働時間・休日・時間外手当に関する規定が適用されません。そのため、深夜に及ぶ法案のすり合わせ、早朝の勉強会準備、土日祝日の地元支援者まわりなど、実質的な24時間拘束状態になることが日常茶飯事です。
永田町の議員会館に詰める「東京秘書」は、質問主意書の作成、各省庁との政策レクチャー、マスコミ対応、陳情処理などに追われます。一方、選挙区で活動する「地元秘書」は、冠婚葬祭の代理出席、後援会の名簿管理、地域イベントの段取り、議員の運転手業務など、泥臭いドブ板営業を担います。
さらに、解雇に関する保護も極めて脆弱です。議員から「明日から来なくていい」と告げられれば即座に失職する「クビのリスク」が常に付きまとうほか、数年ごとの選挙でボスが落選すれば全員が即座に路頭に迷うプレッシャーを抱えています。高年収は、こうした身分不安定さと過酷な拘束時間に対する代償という側面を持っています。