手根骨は単に骨同士が並んでいるだけでなく、手のひら側で「手根骨弓」と呼ばれるアーチ構造を形成しています。この骨のアーチの上に「屈筋支帯(横手根靭帯)」という分厚い帯が屋根のように架かることで、トンネル状の空間が生まれます。これが「手根管(しゅこんかん)」です。
手根管の内部には、指を曲げるための9本の腱とともに、指の感覚や運動を支配する正中神経が通っています。
手根管症候群の原因は、この狭いトンネルの内圧が高まり、正中神経が締め付けられることにあります。主な要因としては以下の通りです。
・パソコン作業や手作業による手の使いすぎ(腱鞘炎によるトンネル内の狭窄)
・妊娠・出産期や更年期の女性ホルモンの乱れによる滑膜の浮腫
・手根骨の骨折や変形によるトンネル自体の圧迫
症状は親指から薬指の半分にかけてのしびれやチクチク感から始まり、進行すると親指の付け根の筋肉(母指球筋)が痩せ細り、ボタン掛けや小銭をつまむ動作が困難になります。