果実の構造を科学的に突き詰めると、両者の出自の違いが浮き彫りになります。日本の柑橘分類において多大な功績を残した植物学者・田中長三郎による植物分類学の知見に照らすと、みかんとオレンジは同じミカン科ミカン属でありながら、異なる種的分化を遂げてきました。
私たちが普段「みかん」と呼ぶ代表格は温州みかんです。原産地は日本の鹿児島県(長島)とされ、薄い果皮(アルベド)と種のない食べやすさが何よりの美点。対するオレンジは、インド・東南アジア原産で、地中海沿岸やアメリカ大陸へ渡って発展しました。
オレンジは主に、夏場に出回るジューシーなバレンシアオレンジと、冬場に甘みが際立つネーブルオレンジの2大系統に分かれます。皮が厚く果肉がしっかり詰まったオレンジに対し、皮が柔らかく小ぶりな温州みかん。この外観や剥きやすさの差は、進化の過程で適応した気候風土の違いそのものです。