お分かりいただけただろうか 商用利用をめぐっては、クリエイターの間で危険な誤解が蔓延しています。代表的な3つの盲点を解き明かします。
第一の誤解は、「YouTubeでアドセンス広告を有効にする行為は商用利用に当たらない」という思い込みです。利用規約上、個人の趣味チャンネルであっても広告収益(パートナープログラム)が発生している時点で、素材サイト側では「商用利用(営利目的)」と定義されるケースが一般的です。「非商用のみ無料」と記載されているナレーション素材を収益化動画に使用することは明確なライセンス違反となります。
第二の盲点は、パロディの「フェアユース」に関する過度な拡大解釈です。日本の著作権法には米国法のような包括的フェアユース規定は存在しません。パロディやオマージュであっても、他者の録音物(原盤権)を無断複製して使用すれば即座に権利侵害が成立します。「ギャグだから許される」というネットスラング的な免罪符は法廷では一切通用しません。
第三の盲点は、AIボイスチェンジャーや音声生成AIを用いた「声真似」の権利関係です。中村義洋氏本人の声を無断で学習させ、その声質を完全に模倣した音声を生成して商用コンテンツに組み込む行為は、パブリシティ権の侵害や不正競争防止法上のトラブルに発展するリスクを孕んでいます。あくまで「ホラー風の低音で語る架空のナレーション」としてトーンを模倣するに留めるのが、法務リスクを回避する鉄則です。