『ハイキュー!!』のファンコミュニティにおいて長年語り継がれ、公式ガイドブック等の各種資料からも裏付けられているのが、影山飛雄の誕生日(12月22日)と日向翔陽の誕生日(6月21日)の天文学的対比です。
天文学において、6月21日前後は北半球で「昼の長さが最も長くなる日」である夏至(げし)に該当します。一方で、12月22日前後は「夜の長さが最も長くなる日」である冬至(とうじ)を迎えます。日向の「日(太陽)」と影山の「影(陰)」という名前に込められた対比が、その生誕の日取りにまで厳密に反映されている点に、古舘春一先生の驚異的な構成力が如実に表れています。
冬至という日には、古来より重要な哲学的意味が付与されてきました。陰の気が極まり、この日を境に再び太陽の光が蘇っていく「一陽来復(いちようらいふく)」の契機です。中学時代、独善的なトス回しから味方に拒絶され、「コート上の王様」という蔑称を背負って深い孤独の底(=極夜)に沈んでいた影山飛雄。彼が烏野高校で日向という強烈な「光」に出会い、互いに照らし合いながら真のバレーボールプレーヤーとして再生していく軌跡は、まさに冬至から陽光を取り戻していくプロセスの具現化といえます。
単なる語呂合わせや偶発的な日付決定ではなく、二人の主人公が互いを補完し合い、世界の頂点へと駆け上がる宿命が、この12月22日という数字そのものに刻み込まれているのです。