かつてレンタルビデオ店の棚を彩っていたオリジナルビデオ作品の時代から、コンテンツの受容環境は激変した。物理メディアを再生機器にセットする儀式は過去のものとなり、現在ではビデオ・オン・デマンド(VOD)の普及によって、スマートフォンやタブレットを通じて数秒で目当てのシーンにアクセスできる。
このストリーミング配信サービスの普及は、作品の作劇論そのものにも変革をもたらした。スキップされやすい冒頭の数分間に強烈なフックを配置しつつ、全体のテンポを緻密に計算する構成が主流となっている。いつでもどこでも鑑賞できる手軽さがもたらした視聴体験のパーソナル化は、個人の秘められた嗜好を深掘りする格好の土壌を作り上げた。