1941年6月22日、ドイツ軍は宣戦布告なしに突如としてソ連領内への侵攻を開始しました。これが史上最大規模の陸上作戦と称されるバルバロッサ作戦です。300万人以上の将兵、数千両の戦車と航空機を投入したドイツ軍は、当初圧倒的な進撃速度を見せ、国境付近の赤軍部隊を瞬く間に包囲・殲滅していきました。
北方では旧帝政ロシアの都であるレニングラード(現サンクトペテルブルク)が標的となり、歴史上稀に見る苛烈なレニングラード包囲戦が勃発します。1941年9月から約872日間に及んだ都市封鎖により、食糧や暖房燃料を絶たれた市民を中心に約100万人以上の命が飢餓と極寒の中で奪われました。
しかし、ドイツ軍が目論んだ「数週間での電撃的なソ連屈服」というシナリオは、首都モスクワの手前で崩れ去ります。秋の長雨による泥濘期(ラスプーティツァ)で補給線が寸断され、その後に到来した零下40度を超える厳冬期と赤軍の粘り強い防衛線の前に、ドイツ軍の進撃は完全に停止を余儀なくされました。