『うる星やつら』のグランドフィナーレを飾るエピソード「ボーイ・ミーツ・ガール」は、原作コミックス単行本第34巻(少年サンデーコミックス版・全361話〜366話)に収録された全11話の壮大な連載最終章です。ワイド版では第25巻、文庫版では第18巻、新装版では第34巻でその全貌を読むことができます。
物語の発端は、闇の世界の支配者・ウパが遺した契約により、ウパの孫・ルパとラムの政略結婚が浮上することから始まります。あたるへの当てつけと嫉妬心、そしてすれ違いから、ラムはルパの元へ身を寄せる決断を下します。地球と宇宙の命運、そしてラムの愛を取り戻すため、あたるたちは闇の世界へと乗り込みますが、そこで突きつけられたのは第1話を想起させる「運命の鬼ごっこ」の再戦でした。
鬼ごっこの条件は極めて残酷でした。定められた制限時間内にあたるがラムのツノに触れればあたるの勝利。しかし敗北すれば、ルパの開発した忘却キノコの胞子によって、ラムの頭から「あたるに関するすべての記憶」が永久に消去されてしまいます。文字通り、二人が過ごした青春と愛の歴史そのものが消滅の危機に瀕した瞬間でした。
圧倒的な飛行能力を持つラムに対し、地上を泥臭く走るしかないあたる。体力の限界を迎え、満身創痍になりながらも、あたるはラムのツノを目指して手を伸ばし続けます。そして制限時間ギリギリの攻防の中、カルラの投げた黒いリボンを機転によって掴み、最後はラムのツノを両手でしっかりと捉えて鬼ごっこに勝利します。記憶の消去は免れ、ラムは歓喜の涙を流しながらあたるの胸へと飛び込みました。