建物の議論が紛糾する一方で、日常の臨床現場ではどのような医療が提供されているのでしょうか。実際に通院・入院を経験した市民の評価を精査すると、ハード面とソフト面で評価が真っ二つに分かれる構造が鮮明になります。
まず、ポジティブな評価として圧倒的に多いのが、医療従事者の献身的な姿勢です。「当直の先生が夜間でも親身に病状を説明してくれた」「看護師さんの声かけが優しく、高齢の家族も安心して入院生活を送ることができた」といったヒューマンエラーを防ぐ丁寧なケアへの信頼は厚く、長年にわたり培われてきた地域密着の強みが息づいています。
特に子育て世帯にとって死活問題である大和高田市立病院の産婦人科および大和高田市立病院の小児科に対する信頼は、地域医療の精神的支柱となっています。産科では「助産師さんが母乳指導や産後のメンタルケアまで親身に寄り添ってくれた」「ハイリスク分べんにも迅速に対応してもらえた」という感謝の声が多く寄せられています。また、夜間の急な発熱や痙攣に対応する小児科の一次・二次救急対応は、「高田市立病院があるからこの街で子育てができる」と語る保護者が少なくありません。
一方、ネガティブな口コミの槍玉に挙げられるのは、やはりハードウェアの物理的な陳腐化です。
- 「待合室のスペースが狭く、車椅子での移動が窮屈に感じる」
- 「エレベーターの待ち時間が長く、病棟への移動にストレスを感じる」
- 「予約時間通りに訪れても、診察までの待ち時間が1時間を超えることが多い」
こうした不満の根本原因は、昭和期の動線設計のまま最新の電子カルテや高度医療機器を詰め込んでいる現在の施設構造にあります。医療スタッフの奮闘によってなんとか現場が支えられているものの、ハードの限界が利用者の満足度に影を落としているのが現状です。