長年にわたり所属していた大手事務所である吉本興業からの退所、そして芸能界からの事実上の引退。この衝撃的なニュースが駆け巡った際、メディアやファンの間には大きな激震が走った。噂レベルでは「業界内のトラブル説」や「干されたのではないか」といった根拠のない憶測も一人歩きしたが、実態は極めてシンプルであり、かつ彼らしい自律的な決断であった。
関係者への取材や彼自身の歩みから浮かび上がってきたのは、50代後半を迎えた彼が抱いていた「自分の人生のハンドルを、自分自身の手に取り戻したい」という強い欲求だ。過密なテレビ出演のサイクルの中で、自分らしさを見失いかねない葛藤があったとされる。自らの引き際を誰かに決められるのではなく、自らの意志で幕を引く。それこそが、彼が選んだ美学だったのだ。