鬼道有人を語るうえで最大の謎にしてアイコンといえるのが、常に着用している特徴的なゴーグルです。作中で描かれた設定資料および公式の描写によると、鬼道有人がゴーグルをつける理由は、かつて師と仰いだ影山零治による極限の英才教育に由来します。視野を制限された状態下で周囲の状況を把握させ、人間離れした空間認識能力と動体視力を強制的に鍛え上げるための矯正器具でした。ピッチ全体を俯瞰する「フィールドの絶対指揮官」としての資質は、この過酷な訓練によって磨き上げられたものです。
ファンの間で幾度となくトレンド入りを果たしてきたのが、鬼道有人の素顔が露わになる瞬間です。劇中でゴーグルを外した姿が確認できるのは、私服で過ごすプライベートな場面や負傷による入院時、さらには『イナズマイレブンGO』の大人時代など極めて限定されたシチュエーションに限られます。ゴーグルの下には、意志の強さを感じさせる切れ長で美しい赤褐色の瞳が存在しており、そのギャップは初公開時に当時のアニメ雑誌やSNSで激しい熱狂を呼びました。
この多面的なキャラクターの深みを決定づけたのが、声優・吉野裕行氏の熱演です。初期の刺々しく冷徹なエリートボイスから、挫折と仲間との出会いを経て滲み出る包容力と苦悩に至るまで、微細な感情の機微を見事に表現。吉野氏の卓越した演技力があったからこそ、鬼道という少年が抱える孤高のプレッシャーと人間的な温かみが、多くのファンを惹きつけてやみません。