隆の里を語る上で欠かせないのが、同時期に相撲界の頂点に君臨していた千代の富士との宿命の対決です。通算対戦成績こそ千代の富士の18勝13敗ですが、特筆すべきは横綱昇進前後における隆の里の驚異的な強さでした。
ウルフの異名を取り、圧倒的なスピードと強烈な上手投げで土俵を席巻していた千代の富士に対し、隆の里は徹底した研究で対抗しました。千代の富士の左前まわしを絶対に許さず、重厚な右四つ・左おっつけで自由を奪う取り口は、まさに「千代の富士キラー」そのものでした。
1981年名古屋場所の千秋楽全勝対決や、横綱昇進を決めた1983年名古屋場所での激突など、両者が土俵中央で火花を散らした名勝負の数々は、昭和相撲史の最高峰として今もファンの脳裏に鮮烈に焼き付いています。