「なぜドミニカ共和国やアメリカ代表など、スター軍団の好カードを地上波で流さないのか」という疑問を持つ視聴者は多いはずです。ここには、近年のメディア業界を揺るがすWBC放映権高騰の理由と、テレビ局側のシビアな財務事情が横たわっています。
WBCを主催するWBCI(MLB機構とMLB選手会による合弁会社)が提示する放映権パッケージは大会ごとに跳ね上がっており、日本国内向けの放映権料は数十億円規模に達していると報じられています。地上波の民間放送局はスポンサー企業からの広告費(タイムCM・スポットCM)で制作費と放映権料を回収するビジネスモデルですが、日本戦以外の海外勢同士の試合では、昼夜を問わず高視聴率を見込むことが極めて困難です。
数億円単位の放映コストを投じても赤字が不可避となるため、地上波各局は「侍ジャパン戦に投資を集中させ、他国戦の放映権は獲得を見送る」という合理的な選択を取らざるを得ません。これが、ファンが体感するWBC地上波で見られない理由の核心です。