近年の認知心理学の研究では、この不快感が「視覚的スペクトル特性」と密接に関連していることが判明している。人間が自然界で目にする風景には一定の空間周波数分布が存在するが、密集した穴や突起のパターンは、脳の視覚処理系に通常とは異なる高負荷な計算を強いる。この異常な神経活動のスパイクが、脳にとって「違和感」や「不快」として処理されるという見解だ。
研究者らは、人間が恐怖よりも「嫌悪」を感じる点に注目する。嫌悪感とは、有害な物質の体内侵入を防ぐ行動免疫システム(Behavioral Immune System)の主幹をなす感情だ。病原体や毒素を避けるための直観的判断が、現代のデジタル画像に対しても誤作動を起こしているとも言える。本来は生存を助けるための優れたアルゴリズムが、高解像度のディスプレイ環境において予期せぬ過剰反応を引き起こしている点は極めて興味深い。