「豚の腸」と聞くと独特の臭みを心配する人がいますが、久留米の名店が提供するダルムに不快な臭気は一切ありません。その背景には、職人が早朝から数時間をかけて行う徹底的な下処理工程が存在します。
生のモツを何度も水洗いして内側のぬめりと汚れを取り除き、ネギやショウガ、酒を加えた熱湯でアクをすくいながらじっくりとボイルします。この下茹でによって余分な脂を適度に落としつつ、柔らかく弾力のある状態へと仕上げます。その後、1本ずつ丁寧に串打ちを行い、仕込みが完了します。
そして最大の見せ場が焼きの技術です。強火の遠火で炭火の熱を均一に通し、表面の水分を飛ばしながらキツネ色になるまでパリッと焼き上げます。滴り落ちた脂が炭に触れて立ち上る煙に燻されることで、香ばしい燻煙香が肉全体を包み込みます。
味付けは「塩」と「タレ」の2系統が存在し、それぞれ異なる魅力を持っています。
- 塩焼き:強めの塩コショウで焼き上げ、名物の「酢ダレキャベツ」と一緒に頬張るのが久留米流。ダルム本来の香ばしさと脂の甘みがダイレクトに引き立ちます。
- タレ焼き:長年継ぎ足された甘辛い秘伝ダレに潜らせて香ばしく焦がすスタイル。濃厚なコクが白米やお酒を力強く誘います。