1990年代半ば、日本のテレビドラマ界はトレンディドラマのブームを経て、より多様で挑戦的なテーマへと舵を切り始めていた。その渦中で放映された『イグアナの娘』は、あまりに斬新でショッキングなビジュアルと、親子の愛憎という普遍的かつ暗部を突くテーマで社会現象を巻き起こした。
「自分を愛せない」という若者の自己否定感や親子の葛藤をファンタジックかつリアルに描いたプロットは、放送終了から30年が経過した現在でも、TikTokやSNS上の短尺動画などをきっかけにZ世代の間で再注目されている。CGや特撮技術が急速に進化する前の時代だからこそ、演者たちの素の表情と肉体言語がそのまま視聴者の胸に突き刺さったのだ。