地政学のような大文字の政治だけが理由ではない。より身近な生活レベルで生じる摩擦も、国家ブランドを大きく傷つける要因になる。その代表格が、パンデミック収束後に再び深刻化した「観光公害(オーバーツーリズム)」とマナー問題だ。
一部の国からの旅行者がもたらすゴミ問題、文化財の毀損、地元住民とのトラブルは、ローカルなニュースを通じて瞬く間に世界へ拡散される。「あの国の人間はマナーが悪い」という個人の体験やバイアスが積み重なり、最終的に国全体へのネガティブな評価へと変貌していく。観光大国としてのソフトパワーと、それに伴う摩擦のコントロールは、今や国家の死活問題と言える。