日本の学習者の間で頻繁に議論されるのが、「大人の男性や女性がオンマと呼ぶのはおかしいのか?」という年齢制限に関する疑問です。結論から述べると、家庭内や親密な私的空間であれば、成人した男女が自分の母親を「オンマ」と呼び続けても全く不自然ではありません。
現代の韓国における世論調査や言語行動の観察データによると、成人の約70%以上が私生活(家庭内や親族間)において実母を「オンマ」と呼んでいます。特に女性は結婚後や子どもを持った後でも、実母の前では一貫して「オンマ」と呼び甘える傾向が強く見られます。父親を呼ぶ際も同様に、幼少期の「アッパ(아빠)」から改まった「アボジ(아버지)」へ移行する人がいる一方で、私生活では「アッパ・オンマ」のペアを維持する家庭が主流です。
しかし、問題となるのは「公の場(社会空間)」での切り替えです。
職場の上司や同僚、取引先との会話において「ウリ オンマが(うちのママが)」と発言してしまうと、自立していない印象(いわゆるマザコン、韓国語で『ママボーイ(마마보이)』)を与えかねません。公的な場では、自分の母親であっても「オモニ」または「オモニム」、あるいは「チョヒ オモニ(저희 어머니 / 私どもの母)」と言い換えるのが社会人としての常識です。この「公私のスイッチ」を明確に行うことが、韓国の言語マナーにおける決定的な分岐点となります。