海軍本部元帥および大将たちは、それぞれ自らの胸に「掲げる正義」のモットーを刻んでいます。赤犬(サカズキ)の「徹底的な正義」、青雉(クザン)の「だらけきった正義(旧:燃え上がる正義)」に対し、黄猿(ボルサリーノ)が掲げるのは「どっちつかずの正義」です。 一見すると優柔不断や無責任にも映るこのモットーですが、巨大組織のパワーバランスと世界政府という歪んだ絶対権力の間で機能する「最も現実的な立ち回り」を具現化した思想であることが、物語が進むにつれて明らかになってきました。
尾田栄一郎氏が作中で描くボルサリーノの立ち位置は、極論に振れるサカズキとクザンの激突を「一番都合のいい立場」から俯瞰するバランサーでした。しかし、この「どっちつかず」という防壁は、彼個人の大切な人間関係と職務命令が真っ向から衝突した際、彼自身を最も残酷に苛む刃へと変貌することになります。