コストを抑える目的で塩ビ素材の製品を選んだ場合でも、特有の失敗パターンが存在します。リノベーション現場における代表的な失敗例を分析します。
まず、安価で手軽なクッションフロア(CF)を選択した場合の後悔です。シート状のCFは印刷された柄であるため、斜めからの自然光が当たった際にビニール特有のツヤや平坦さが浮き彫りになり、木目本来の立体的な陰影が得られません。また、継ぎ目の柄合わせが甘いと矢羽模様のピッチがズレてしまい、チープな印象が強調されてしまう事態に陥ります。
一方、サンゲツなどに代表される硬質塩ビのフロアタイル(Pタイル)は、表面のエンボス加工やマットな質感により、無垢材に迫る高いリアリティを持ちます。しかし、1枚ずつ敷き詰める工法であるため、下地のわずかな不陸(凹凸)が目地の段差として指先に引っかかる原因になります。さらに、素材自体にクッション性や保温性がないため、冬場に素足で歩くと強い冷えを感じ、スリッパや床暖房(対応品番の選定)が必須となる点を見落としてはなりません。