『かんなぎ』を取り巻く一連の騒動は、ネット空間の無責任な集団ヒステリーがひとりのクリエイターと作品にいかに不当な痛手を与え得るかという、現代にも通じる痛烈な教訓を残しました。しかし同時に、そうした過酷な逆境と大病を跳ね返し、物語を当初の志のまま完結へと導いた武梨えり先生の強靭な作家性を示すエピソードでもあります。
偏見やデマに惑わされることなく原作全12巻を最初から読み解けば、そこに描かれているのはヒロインの純潔性をめぐる浅薄な話などではなく、人間の弱さや醜さをも包み込んで肯定する「祈りと救済の壮大な神話」であることが分かります。ゼロ年代の熱狂と混迷を越えて読み継がれるべき真の傑作として、本作は今なお色褪せない輝きを放ち続けています。 (出典: かんなぎ 騒動(Yahoo!ニュース))
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