葬儀の現場では、良かれと思った配慮が遺族側の負担になってしまうケースが頻発しています。大手葬祭ディレクターや実際に喪主を務めた方々の証言から、現場で起きているリアルな課題を紐解きます。
ある葬祭式場の支配人は次のように現場の実情を明かします。
「家族葬の案内状に『御香典の儀は固くご辞退申し上げます』と明記してあるにもかかわらず、『どうしても気持ちだけは受け取ってほしい』と無理やり香典を押し通そうとする参列者が後を絶ちません。遺族側はお返し(香典返し)の手配やリスト管理を省くために辞退されていることが多く、その厚意がかえって遺族に精神的・実務的な負担を強いる結果になります」
また、SNSやネットの相談窓口では「職場の有志で中途半端な端数の小銭を集めた連名香典」に対する遺族の戸惑いが多数報告されています。1人あたり数百円単位で集められた数千円の香典に対しても、遺族側は形式上のお礼状や返礼品を検討しなければならず、「お返しのコストが香典額を上回ってしまった」という本末転倒なトラブルも散見されます。相手の負担を想像した行動が何より求められます。