すべての始まりは1970年代半ば、青山学院大学の音楽サークル「ベター・デイズ」だった。当時から破天荒な才能を爆発させていた桑田佳祐と、実家の老舗天ぷら屋で培われた確かな感性を持つ原由子。キーボードの前に座る原の正確なリズムとアレンジセンスに、桑田は一目で魅了されたという。言葉を交わさずとも音が通じ合う感覚が、そこにはあった。
アマチュアコンテストでの活躍を経て、彼らはサザンオールスターズとして世に出る。所属事務所である株式会社アミューズの創業者・大里洋吉に見出され、ビクターエンタテインメントから鮮烈なデビューを果たした。過酷なスケジュールと目まぐるしい環境の変化の中で、常に桑田の心の拠り所となったのが原の存在だった。バンドの躍進は、二人の絆の深まりと完全に同期していたのだ。