犬の表皮には常在菌として酵母様真菌のMalassezia pachydermatis(マラセチア)や細菌のStaphylococcus pseudintermedius(表皮ブドウ球菌)が存在しています。健康な皮膚では一定の均衡が保たれていますが、皮脂分泌の異常や皮膚バリア機能の破綻が生じると、これらが異常増殖して激しいかゆみと炎症を引き起こします。これがマラセチア皮膚炎および二次性細菌感染(膿皮症)の病態です。
市販の低刺激シャンプーでは、増殖した真菌のバイオフィルムや過剰な皮脂を根本的に除去することは困難です。マラセブシャンプーが動物用医薬品として高い治療実績を誇る理由は、以下の2つの有効成分が配合比率2.0%ずつで共存している点にあります。
- ミコナゾール硝酸塩(2.0w/v%):真菌の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害し、マラセチアの細胞構造を破壊・殺滅します。
- クロルヘキシジングルコン酸塩(2.0w/v%):広範なグラム陽性菌・陰性菌に対して強力な殺菌力を発揮し、皮膚炎を併発・悪化させるブドウ球菌の増殖をブロックします。
獣医学研究のデータによると、これら2成分を単独で使用するよりも、同時に作用させることで相乗的な殺菌・静真菌効果が得られることが実証されています。ベタつきを伴う犬の脂漏症ケアや、夜も眠れずに体を掻きむしる犬の薬用シャンプーによるかゆみ抑制において、即効性と高い菌体減少率を発揮する構造がここにあります。