そもそも、なぜ水ではなく炭酸を使うと衣が劇的にサクサクになるのか。その理由を紐解くには、天ぷら作りの最大の敵である「グルテンの形成」と「油の温度変化」に注目する必要がある。これまでの調理理論における経緯解説をまとめると、主な理由はふたつに集約される。
第一に、炭酸水に含まれる二酸化炭素の発泡作用だ。衣を熱い油に入れた瞬間、気泡が爆発的に膨張して衣の内部に無数の微細な穴を作る。これによって、まるで揚げたてのスナックのような軽い歯ごたえが生まれるのだ。第二に、炭酸の気泡が小麦粉の水分吸収を適度に阻害し、粘り気のもとになるグルテンの発生を抑える効果がある。