物語の終局となる単行本第5巻(最終巻)で描かれた光景は、連載当時の読者に底知れぬ喪失感と戦慄を与えました。結論から言えば、主人公の倉井ひなこと花崎花子は、外の世界と完全に断絶した逃避行の末に死(心中)を迎えます。
優等生としての仮面を剥ぎ取られ、学校という共同体からも家庭からも完全に居場所を失ったひなこ。そして、ひなこからの歪んだ加害行為を受け止めることでしか生きている実感を得られなかった花子。二人が辿り着いたのは、もはや日常へ戻る選択肢が完全に潰えた袋小路でした。最終盤では、誰の手も届かない場所で互いの存在を唯一絶対のものとして確認し合い、二人きりで命を絶つ決断を下します。
読者の間で議論が紛糾した具体的な死亡理由は、社会的な逃げ場の喪失だけではありません。二人を取り巻く周囲の人間関係や世間の常識が介入してくれば、二人が築き上げた「特殊な聖域」は即座に解体され、異常な虐待・共依存として断罪されてしまいます。「誰にも邪魔されず、誰にも二人を引き裂かせない」ための唯一無二の防衛手段こそが、死による関係性の永久固定化だったのです。