「トンネルを広げれば渋滞は消える」——かつて期待された対策は、完全な解決には至らなかった。神奈川県綾瀬市から大和市にかけて位置する大和トンネル付近は、東名高速道路における最大のボトルネックとして長年君臨している。
車線を増やしたことで一見、流出入のスムーズさは向上した。しかし、本質的な問題は車線数ではなく地形にある。トンネル手前から続く微妙な下り坂から上り坂への変化、いわゆる「サグ部」だ。無意識のうちにドライバーの足がアクセルを緩め、速度が低下する。後続車が次々とブレーキを踏む連鎖反応。これが、通過台数のキャパシティを超えた瞬間に一気に見えない「壁」となって交通を遮断する。
2026年の最新交通データを見ても、交通集中期における速度低下率は依然として高い。物理的な空間を拡張しても、人間の無意識の生理現象を完全に制御することは容易ではない。