石坂浩二の黄門役は、わずか1年半、2シリーズで幕を閉じる。公式な降板理由は、石坂自身の直腸がん治療のための療養と発表された。これは事実であり、彼が病魔と闘っていたことは間違いない。しかし、業界内やメディアの間では、それ以上の「大人の事情」が囁かれ続けていた。
最大の要因は、やはり視聴率の低迷だ。かつて30%を超えていた国民的番組の数字は、石坂版になってから急降下し、一部ではシングル寸前まで落ち込む事態となった。スポンサーの焦りと、現場の焦燥感。体調不良という大義名分は、番組の路線修正を図りたい制作陣にとっても、渡りに船のタイミングだったのではないかという見方が今も根強い。後任の里見浩太朗が、再び伝統的な「白髭の黄門様」に戻したことが、その証左である。