中也の異能「汚れつちまつた悲しみに」は、触れたものの重力のベクトルと大きさを自在に操る物理法則改変能力です。銃弾を受け流す防御から、瓦礫を数十トンの質量兵器に変えて投げつける攻撃まで、単体でも作中トップクラスの汎用性と破壊力を誇ります。
この異能の真骨頂であり最大の危険要素が、真の力を解放する形態「汚濁(おじょく)」です。
「汚濁」を発動すると、自身の重力を極限まで高めてブラックホールじみた圧縮弾を放ち、大型異能兵器すら一撃で粉砕する絶対的な破壊神へと変貌します。しかし、発動中は自我を完全に失い、肉体の血管が破裂し息絶えるまで破壊を止められません。これを安全に停止させる手段は、太宰治の異能無効化「人間失格」による接触解除ただ一つです。
つまり中也は、相容れない犬猿の仲である太宰に「自らの命のブレーキ」を完全に預けなければ、奥の手を使うことすらできません。この構造こそが、二人の関係性に強烈な緊張感とドラマ性を与えています。