ネット上のコミュニティや知恵袋、レビューサイトを調査すると、「フルール ドゥ ポーはおばさん臭いのではないか」「昭和の化粧品やベビーパウダーの匂いに似ている」という懸念が一部で見られます。3万円近い投資をする上で、このネガティブな口コミの真相は見逃せません。
美容ジャーナリストや調香の専門家による分析、そして数百件におよぶユーザー評価を精査すると、この誤解が生じる背景には明確な「2つの要因」が存在することが判明しました。
第1の要因は、香りの主軸を担う「アイリス(アヤメ科の植物)」と「キャロットシード」が持つパウダリーノートです。アイリスの根から抽出される香料は非常に高貴で高価ですが、クラシックな高級化粧品やフェイスパウダーの賦香にも古くから使われてきました。そのため、香水文化に馴染みの薄い人や、グルマン系(甘いお菓子系)やフルーティーフローラル系を好む若年層が嗅ぐと、無意識に「昔の母親の鏡台」や「化粧台の粉っぽさ」を連想してしまうのです。
第2の要因は、「ムエット(試香紙)だけで判断してしまう罠」です。フルール ドゥ ポーは肌の皮脂や体温と反応して初めて香りの骨格が完成する「スキンパフューム」として設計されています。紙の上で嗅ぐとトップのスパイシーさとパウダリー感だけが際立ち、肝心のまろやかなムスクの深みが現れません。試着せずにムエットの第一印象だけで購入を見送った人や、肌に乗せて数分の段階で評価を下した声が、ネット上で「おばさん臭い」という評判として一人歩きしているのが実態です。