映画『茜色に焼かれる』で見せた、あの刹那的な輝きと哀切を覚えている人は多いだろう。風俗店で働きながら過酷な現実を生きる若き女性・ケイ役。あの演技で数々の新人賞や助演女優賞を総なめにした瞬間、日本映画界はひとつの覚悟を持った怪物の誕生を目撃した。
底抜けの明るさの裏に張り付いた絶望と、それでも誰かを求めずにはいられない生への渇望。痛々しいほどの純粋さを全身で体現したあの役柄は、単なる好演の域を遥かに超え、観客の倫理観や感情を激しく揺さぶった。傷つくことを恐れず、役の芯まで己を投げ打つそのアプローチは、今なお彼女の表現の根底に流れている。