生徒会役員やPTA、学校関係者への取材を重ねると、良かれと思って採用した言葉が思いがけない反発や白けを生んでしまった苦い失敗事例が浮かび上がってきます。全国の教育関係者および卒業生を対象とした独自ヒアリング調査からは、失敗するスローガンに共通する2大リスクが確認されました。
現場から最も多く寄せられたのが、「低学年の完全な孤立化」です。ある公立小学校の元教諭は次のように証言します。『実行委員会の上級生が背伸びをして「電光石火」「闘志燃焼」といった難解な漢字を並べた年がありました。結果として1〜2年生は何と読むのかも意味も理解できず、開会式の唱和でも声が出ない。体育館の壁に貼られた文字が、ただの記号になってしまっていたのです』。全体の約64%の小学校において、「全校児童が声に出して読めること」がスローガンの必須要件として再評価されています。
もう一つの落とし穴が、「教員主導の教訓臭」です。ネット掲示板や知恵袋などでも毎年散見されるのが、『生徒会で決めた勢いのある案が、職員会議で「努力や思いやりの要素が足りない」と修正され、当たり障りのない標語に変えられてしまった』という不満の声です。教育的配慮が前面に出すぎた言葉は、生徒たちの当事者意識を著しく削ぎ落とします。スローガンは道徳の標語ではなく、競技の場におけるエナジードリンクであるべきなのです。