みかんの過剰摂取をめぐっては、血糖値への悪影響や「結石ができるのではないか」という噂がネット上で散見されます。医学的なエビデンスに基づき、その真偽を紐解きます。
まず糖尿病と血糖値への影響についてですが、みかん自体のGI値(食後血糖値の上昇度を示す指標)は低〜中程度とされています。適量を食事の合間やデザートとして楽しむ分には急激な血糖スパイクを起こしにくいものの、過剰摂取によって総糖質量が増えればインスリンの分泌負荷を高めます。すでに糖尿病や境界型の診断を受けている方は、主治医と相談した上で厳格な個数制限を守る必要があります。
一方、尿路結石との関係については一部で誤解が広まっています。尿路結石の主原因となるのは「シュウ酸」ですが、みかんに豊富に含まれるのは主に「クエン酸」です。クエン酸にはむしろ尿中のカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムの結晶化を抑制し、尿をアルカリ化して結石を予防する働きがあります。ただし、水分補給をみかんだけに依存して通常の飲水量を減らしてしまうと、尿が濃縮されて結石リスクを高める要因になるため、バランスの取れた水分摂取が欠かせません。
また、腎機能が著しく低下している透析患者などの場合、みかんに含まれるカリウムをうまく体外へ排出できず、「高カリウム血症」を引き起こす危険性があります。持病を抱える方は摂取量に特別な配慮が求められます。