コスメ売り場のテスターやスウォッチ画像を見て「肌なじみの良さそうな粘膜カラー」だと思って購入したのに、時間が経つと唇だけが不自然なテラコッタ調に変色してしまう現象に悩むブルベ夏は後を絶ちません。このプチプラリップが黄み浮きしない理由やその逆の現象が起きる要因は、配合されている染料とベース色素の構成に隠されています。
日本人の唇はもともとヘモグロビン由来の赤みとメラニン色素を含んでいます。一般的なプチプラリップは、日本人に最も多いイエベ肌に馴染みやすいよう、ピンクやベージュという表記であっても微量の黄色系顔料(酸化鉄や黄4など)がブレンドされているケースが目立ちます。青みと明度、適度なくすみ感を必要とするサマータイプの肌質に黄色系顔料が触れると、補色の関係によって肌の青白さが相殺され、濁りや黄ばみとして視覚的に強調されてしまうのです。
化粧品開発の現場エンジニアへの取材によると、サマータイプに必要なのは「純度の高い青みピンク」ではなく、かすかに青を含んだモーヴローズやダスティピンクといった彩度を抑えた中間調です。黄みを徹底的に排除しつつ、素唇の赤みを透かせるシアーな基材を選べるかどうかが、プチプラで透明感をモノにするための絶対条件となります。