映画しあわせのパンの舞台は今?洞爺湖カフェの現在と名作の深層

映画しあわせのパンの舞台は今?洞爺湖カフェの現在と名作の深層

映画しあわせのパンの舞台は今?洞爺湖カフェの現在と名作の深層についての真相をお届けします。

映画の中で繰り返し語られるキーワードが、フランスの素朴な田舎パン「パン・ド・カンパーニュ」です。語源であるラテン語の「com-panis(共にパンを食べる仲間)」が、英語の「companion(仲間、連れ合い)」や「company(会社、仲間)」の語源になったというエピソードは、本作の根幹にある哲学を示しています。

ひとつの大きなパンをナイフや手でちぎり、誰かと分け合って食べる行為そのものが、人と人との分断を防ぎ、心の距離を縮める最良の処方箋であることを作品は静かに語りかけます。料理研究家の指導のもとで再現された焼きたてのパンやスープの描写は、単なるフードスタイリングを超えて登場人物の心情そのものを語る重要な役割を果たしています。

そしてエンディングを飾るのが、矢野顕子と忌野清志郎のデュエットによる名曲『ひとつだけ』です。「離れている時でも わたしのこと 忘れないでいてほしいの」という素朴で切実な歌詞と、ふたりの圧倒的な歌声が、物語の余韻をどこまでも深く心地よいものへと昇華させています。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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