前作で編集を手がけたニック・ジョンソンとウィル・メリックがメガホンを取り、アニーシュ・チャガンティらがストーリーを構築した本作は、既存の映画産業の枠組みを鮮やかに打ち破った。広大なロケーション撮影や莫大なCG予算に頼ることなく、デスクトップの操作画面という極めてパーソナルな空間だけで、世界規模の緊張感を生み出すことに成功している。
カーソルの迷い、テキスト入力の打ち直し、通信速度の遅延といった、誰もが日常で体験するPC操作の機微が、登場人物の心理描写として機能する。このミニマルにして過激な演出手法は、現代のサスペンス映画におけるひとつの到達点を示したと言える。