朝6時に立山山麓でトレイルランニングを楽しみ、8時には澄んだ空気の中でスタンディングデスクに向かう。東京のスタートアップでCTOを務める男性は、2年前に家族とともに富山へ拠点を移した。
新幹線を使えば東京まで2時間強。しかし、彼の仕事の大半はこの地で完結する。富山県が整備した山間部のサテライトオフィスには、光ファイバー網とサウナ、そして地元産材で作られたコワーキングスペースが広がる。高い家賃と満員電車から解放されたクリエイターたちが求めたのは、単なる田舎暮らしではない。圧倒的な自然のスケールと、都市機能の利便性が奇跡的なバランスで同居する「創造的な余白」だ。この余白こそが、イノベーションを生む土壌になっている。