世界中でヒットを生み出し続けるNetflixのコンテンツ戦略も、想起のメカニズムを巧みに利用している。視聴者の手を止めさせ、数日経っても作品の余韻を引かせる作品群の多くには、心理学的な仕掛けが組み込まれている。
特にサイコロジカル・スリラーをはじめとする人気ジャンルでは、意図的な違和感や「未解決の問い」を視聴者の心に残す設計がなされている。心理学で言う「ツァイガルニク効果(未完成のものほど記憶に残りやすい現象)」を活用することで、作品が終わった後もユーザーの脳内で考察が繰り返され、ソーシャルメディアでの自発的な拡散や再視聴へとつながっていく。
記憶に残るエンタメ作品やプロダクトは、例外なくユーザーの思考を刺激し続ける「余白」を計算し尽くしている。