武田信玄の名言に学ぶ真意|人は城人は石垣と最強軍団の組織論

武田信玄の名言に学ぶ真意|人は城人は石垣と最強軍団の組織論

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武田信玄にまつわる歴史的エピソードの中で、後世に最も美談として定着したのが上杉謙信による「敵に塩を送る」の逸話です。

今川氏真による経済封鎖(塩止め)で甲斐国が塩不足に陥った際、宿敵であった越後の上杉謙信が「戦は弓矢で決するものであり、民を苦しめるべきではない」として塩の供給を許可したとされる話です。しかし、近年の歴史研究や同時代史料の調査では、この通説に対して冷静な実態が浮かび上がっています。

越後側が塩の流通を止める協定への参加を拒否したのは人道的な美談だけではなく、「越後商人の経済的利益の確保」という現実的な通商維持策であったという見解が有力です。また、信玄側も謙信から無償で塩を施されたわけではなく、適正な市場価格で購入していました。

また、信玄の名言の多くを収録する『甲陽軍鑑』についても、江戸時代初期に武田遺臣の高坂弾正(春日虎綱)の口述をもとに編纂された経緯があります。一時は創作が多い偽書と疑われた時期もありましたが、武田家の法度(甲州法度之次第)や内政資料との照合が進み、戦国期甲斐国のリアルな統治哲学と軍事思想を伝える一級史料として再評価が定着しています。

森 瞳
著者

森 瞳

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