ブレイクからわずか数年、なぜ彼女は人気絶頂の波に乗り続けることなく芸能界を去ったのでしょうか。ワタナベエンターテインメントの退所理由については当時様々な憶測が飛び交いましたが、根底にあったのは「作られた偶像(ブルゾンちえみ)」と「素の自分(藤原史織)」との間に生じた激しいギャップでした。
本人が後に語ったところによると、求められる強いキャリアウーマン像を演じ続ける重圧や、秒刻みで消費されるテレビのスピード感に心身の限界を感じていたといいます。もともとお笑い芸人を志して業界に入ったわけではなく、表現全般を学びたいという思いから養成所に進んだ経緯があったため、「お笑いタレント」という枠組みに閉じ込められることに強い違和感を抱いていました。
事務所との間に確執があったわけではなく、契約満了のタイミングで話し合いを重ねた末の円満退所でした。「一度立ち止まり、本当に自分がやりたいことをゼロから学び直したい」という彼女の決断は、安定した芸能人としての地位を自ら手放す勇気ある選択だったのです。